ナッジを介護へ



ナッジ(nudge)とは、「ヒジで軽く突く」という意味です。
科学的分析に基づいて人間の行動を変える戦略のことをいいます。
このナッジのコンセプトは、2008年にシカゴ大学のリチャード・セイラー教授とハーバード大学のキャス・サンスティーン教授により発表されました。
ナッジは「選択構造」を利用した行動経済学にもとづく戦略であり、選択構造とは、「選択肢を提示する形」のことをいい、「人の動き(心)を操る魔法」とも称されます。

実は、ナッジは私たちの身の回りに既に沢山存在しています。
アムステルダムのスキポール空港では、男性小便器の内側に一匹のハエの絵を描くことにより、床の清掃費が8割も減少したという話もあります。
また、ニューメキシコ州立大学の研究チームは、実際にスーパーマーケットの客にナッジを試みました。カートの中央にテープを貼って、テープの向こう側に果物と野菜を入れ、テープの手前側にその他の品物を入れるようにしました。
その結果、客は必ず果物と野菜を買うようになり、結果としてその量はこれまでの倍となったそうです。
最近目にするコンビニのレジ前の並ぶところにある足跡なども実はナッジによるものです。

例をあげればキリがないほど、世の中にはナッジが浸透しているのですが、「ナッジ」とは、私たち人間が決して強制されることなく、選択的余地を残したうえで、より良い方向や行動をとるために生み出されたコンセプトなのです。

国は、このナッジ理論に注目し、医療、介護、予防へ応用しようと動いています。
介護においては、高齢者福祉におけるアナセンの3原則の内の一つ、『自己決定の原則』に関係してくることと思います。自己決定までのプロセスでの仕掛けが重要であり、そこにナッジを応用しようということです。
振返ってみれば、私たちもデイサービスにおいて、独自の機能評価システムであるDRCやリハビリカードの導入など、自然とご利用頂く方がモチベーションを高め、運動したくなるような仕掛けを沢山考えてきたように思います。

ナッジはアイデアだと思います。
ご利用頂く方が、自然と運動したくなるような、わくわくするような、心動かす仕掛けをこれからも沢山考えていきたいと思います。
そして、私たちが目指すは自立支援介護です。その考え方のもと、お一人おひとりが自らの健康は自分で考え、行動出来るような関わりを行っていけるよう努力したいと思います。

小馬 誠士

本年度終了♪【玉野アクティブクラブ】

本年度取り組んできた玉野アクティブクラブですが、先日の第10回目の開催をもって無事全10回の内容を終了しました。

1クール全10回と1年間にわたる長いスパンでの開催でしたが、今回も約30名の方に参加頂き楽しく、元気に介護予防に取り組めました。

 

中心メンバーである山谷作業療法士により、OTならではの工夫を凝らした取り組みにもチャレンジし、参加頂いた皆さまにも楽しんでいただけたのでは、と思います。この教室を通じて、身体を動かすことの楽しさや、ご自身の生活ひいてはこれからのご自身の人生をも考えて頂けるきっかけになったのであれば幸いだと思います。

 

人生100年時代にこれから突入する我が国において、自身の健康や生き方を考え、実現していくのは、お一人お一人ご自身であると私も思います。そして私たち介護や医療にかかわる者は、その方が選択した生き方に対して、介添え役として側方または後方から支援することだと思います。

私たちが根を下ろす地域の未来が明るく、イキイキとしたものであるために、私たちらしい支援ができるよう皆で精一杯これからも頑張っていきたいと、改めて決意した一日でした。

 

 

ご参加いただいた皆さま、教室をサポートしてくれた皆さまありがとうございました!

 

 

挑戦はまっ先に。サービスはまっすぐに。

山崎 寛幸

 

岡山県作業療法士議員連盟が発足しました



このブログでも折に触れアナウンスしてきましたが、私は岡山県作業療法士連盟の副会長として活動させていただいています。
去る令和元年9月20日、岡山県議会議員 わたなべ英気先生を中心とした岡山県作業療法士議員連盟が発足しました。
そして、令和2年3月6日12時より38名の県会議員の先生方にご参加いただき岡山県作業療法士連盟の総会が開催されました。
「議員連盟」と聞いてもよくわからない・・・。といった作業療法士の方々も多くいると思います。
議員連盟とは、国家議員や県会議員などが何らかの目的をもって結成する会の総称をいいます。
略して「議連」とも言われ、ニュースなどでも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
岡山県作業療法士議員連盟は県内の作業療法士、作業療法に関わる課題について、一緒に考えてくれる、向き合ってくれる県会議員の先生方です。
そして、県単位で議員連盟が誕生したのは、全国初となります!!!!!

昨年11月26日に開催した学集会のなかで、現状に対するグループディスカッションを行いました。やはり、個々の置かれた環境、領域のなかで様々な意見が飛び交いました。
この貴重な意見は制度的課題を含んでおり、必ず行政に届けないといけません。
今後は岡山県作業療法士議員連盟を通じて、岡山県作業療法士会、岡山県作業療法士連盟から適切に声を届けることが出来るようになります。
少しずつではありますが自分たちの未来を作っていく環境が整いつつあります。
作業療法士の皆さん、自分たちの未来を岡山県作業療法士会、岡山県作業療法士連盟そして岡山県作業療法士議員連盟とともに作っていきましょう。

大月 博

「アール・ケア」と「テセウスの船」

   

現在、放映中のドラマ「テセウスの船」ドラマ自体は見ておらず、内容は全く分かりませんが、題名に興味を惹かれたこともあり、少し考えを巡らせてみました。
まず「テセウスの船」とは、ギリシャ神話に登場するギリシャ国王テセウスが、ミノタウロスという怪物が住むクレタ島に木船で討伐に行き、見事怪物退治に成功した後、英雄として熱狂的にギリシャ国民に迎え入れられた物語が由来となっています。
後に、ギリシャ国民は、その大きな功績を称え、討伐に使った木船を「テセウスの船」として、永久に保存するために壊れた箇所を新しくするなど、幾度も修繕を重ねながら後世に
引き継いでいきました。歳月を重ねるにつれて、いつしか、テセウス自身が実際に使った船の材料は完全に姿を消し、全て新しいパーツで構成された木船が「テセウスの船」として保存され続けている様相を見て、後に、ある人物が『「テセウスの船」として保存されているが、船を形作っている一つひとつの部品は、明らかに当時のものではない。
そこで‥
 ・全てのパーツが完全に交換された船は、それでも「テセウスの船」と呼べるのか?
 ・「テセウスの船」と呼べるなら、最初のパーツを用いて作った別の船は何と呼ぶのか?
と、一つの意見を提言したところ、議論に発展し、今では「テセウスパラドックス(逆説)」として「同一性」とは一体何か?という哲学的な課題として研究されるに至っています(現在までに様々な思考実験がありますが、概念的、哲学的であるためその答えは無く、強いて言えば「見る人によって変わる、どちらでもよい」らしいです)
 
 では、もし、“未来、時代の変化と共に、現在のアール・ケアを構成している人が大きく入れ替わり、また、事業内容が変化し、今ある何かが形を変えたとしても、「アール・ケアはアール・ケアなのか?”同一性のあるものと言えるのか?」という問題があったとしたら、自身でどのように考えるだろうか?
現時点の私の答えは
『企業が有する「理念」「意思」「機能」「存在価値」「歴史」総じて、根底に流れ得る「想い」の連続性が維持される限り、アール・ケアは未来永劫アール・ケアとして在り続けられる』
となります。

あと1カ月もすれば、今年もまた多くの新入社員が入社します。新しくアール・ケアの一員となる若者に、その礎となる「想い」を継承していくのが、自分達の大きな役割であると肝に銘じ、来る4月1日の入社式を楽しみに待ちたいと思っています。
「想い」を繋ぐ若い社員の活躍を願って‥。

(写真:Wikipediaより)

 


鈴木 茂和

 

サルは、なぜ立ってヒトに進化したか



写真は、東京大学教育学部名誉教授の太田 堯 先生。
先生の講演を4回ほど聴いたが、今でも頭に焼き付いている話がある。
先生が小学校の授業に行き、狄焚熟澄蹐鮠学生に教えた後、ある男の子から質問された。
「先生、何でサルは足で立って歩いたの?」という質問だった。
先生は進化論については専科だったが、「なぜ?」と聞かれてハッとしたらしい。
答えが出ず、来週の授業まで待って欲しいと、男の子から宿題を預かった。
1週間、必死に考えたが答えが出ないまま再度教壇に立った。
すると、その男の子から、「先生、どうしてかわかった?」と聞かれ、とっさにこう答えた。
「あのね、サルはその気になったから両足で立って歩いたんだ。」

このエピソードが語るものは何か・・・。

生き物は目的をもって生きている。
動物も餌を見つけ、子孫を増やすために生きている。
平地に追いやられたサルの集団が、当時は高い位置に実を着けた稲穂の元草の実を食べるという目的を持ったからこそ立ったと説明した。
「その気になる」ということが、教育の中でいかに重要かを語るエピソードだ。

子供も、生徒も、社員も、その気にさせる教育が必要だと教わった。
先生は2018年12月23日、100歳で他界された。

私に、教育というものの第一歩を教えてくれた先生だった。


山根 一人


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