合成の誤謬



合成の誤謬(ごびゅう)とは「個人的(部分的)に正しいとされる行動であっても、それが合成され全体的に全員が同じ行動をとった時には、必ずしも正しい結果に導かれず予想しない悪い結果を招く」ことを表す主に経済用語として使われる言葉です。「合理的行動が集まると、予期せぬと不合理的結果を生む」とも言い換えることが出来ます。
例えば、有名な「貯蓄のパラドックス」もその一つで、個人としての貯蓄や貯金は正しい行動であり一般的には良い事とされていますが、全員または大部分が貯蓄や貯金をする行動をとった場合には、社会全体の消費額が減少し、企業の利益が激減し、その影響で個人の所得も下がってしまい、結果的に貯金を切り崩し、貯金額よりも多くの支出が必要になる可能性が高まります。
また、「選挙」についても同じで、若い年代が「選挙に行く時間がもったいない」「自分一人が投票しても国政には影響ない」として時間的合理性の中で大部分が「棄権」という選択をした場合には、投票率の高い年代の意見や要望が反映された政策が優先となります。逆に「棄権」が多く、投票率の低い年代の要望は後回しにされ「選挙に行かない」という合理的行動が、若い年代にとって不合理な結果を生む「合成の誤謬」の典型とされています。
もっと言えば、コンサート会場で「見えやすいように」と席を立つ人がいると、立った
人の後ろの人も「見えにくい」から立ち上がる、そしてそのまた後ろの人も…という連鎖によって、立ち上がったことによる有利性は全く無くなることも同じ概念です。
 
現在、国が提唱し法律化されている「働き方改革」に準じ、当社でも様々な取り組みを推進していますが、その取り組みの結果「合成の誤謬」を生んでしまわないか?に一抹の不安を覚えているところです。
 「合成の誤謬」を生まず「トータルバランスと全社最適」を両立させていくのは、かなりの困難課題でありますが、一歩一歩着実に「働き方改革」を進め「合成の躍進(こんな言葉はないですが)」に繋げたいと思います。


鈴木 茂和


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